もう客先常駐なんてやめにしないか
(´・ω・`)こんにちは、おおかみさんです
おおかみさんは元システムエンジニアです(´・ω・`)
このSE業界というかIT業界というか、
システム開発の現場では今、客先常駐型の勤務形態がすごく広まってる。
おおかみさんが勤めてたところも『客先常駐の仕事が100%』な会社だった。
ただ、客先常駐っていうのは、働いてる当初から色々と問題があるなぁ、と感じてたので、
客先常駐の何が悪いのか?を今回はお話してみようかなと思います。
1. 客先常駐とは?
お客様の会社 (現場) に常駐して仕事をする勤務形態。
具体的に労働者視点で例え話すると……
俺がA社に雇用されてるとする。
A社から、キミの仕事場はB社だよ、って言われてB社へ行く。
そしたらそれ以降は、俺は自宅からB社へ直行し、仕事が終わればB社から自宅へ直帰するようになる。
余程の用事でもなければ、自社 (A社) に立ち寄ることはない。
所属してるのも給料くれるのもA社、でも実際に働いてる現場はB社でだけ。
そんな働き方。
言うまでもないかもしれないけど、
これ、派遣労働者と何ら変わりない働き方です。
2. 経営者としては……
先に、多くの経営者が何故、客先常駐という形を取り入れるのか、そのメリットを軽く書いておこう。
経営者視点から言えば、客先常駐は物凄ーく経営を安定させやすいのよ。
- メリットその1:収益が安定する。
自社開発だと、自社製品を作って売って、そこで初めて利益になるけど、
当然作ってる間の分の費用 (給料とか他) は、売って入ってくるお金がないなら銀行から借り入れとかしないといけない。
お金が入る入らないの波ができる、という意味で安定しない。
しかし、客先常駐だと『人月いくら』って計算になるから、毎月安定してお金が入ってくる。
- メリットその2:社員教育を手抜きできる。
新人を雇っても、その人を現場に送り出しさえすれば、あとは勝手に現場が教育してくれる。
ほぼ全ての教育を現場に丸投げできる。
楽だね。
自社としての研修費用も最低限で済むし。
- メリットその3:各種費用を極限まで節約できる。
上にも書いた通り、研修費用節約できるよね。
あと、客先常駐の社員がいる分だけ、自社でのデスクとかパソコンとか消耗品とかいらなくなる。
客先常駐100%なら、どんなに社員増やしてもそれらが全く必要ないわけだ。
他にもあるけど、大まかにはそんな感じか。
うむ、とても素晴らしい。
収益性なんかの面だけ見れば、
経営者にとってはメリットしかないじゃん。
3. 従業員としては……
さて、ここからが本題。
労働者視点で見るとどうか。
個人的に、労働者にとって客先常駐のメリットは皆無だと思ってるから、デメリットだけ羅列する。
- デメリットその1:精神的に負担が大きい。
冒頭にも書いたけど、派遣労働と何ら変わりない働き方です。
常駐先と自社側との間で板挟み、なんて日常茶飯事です。
それでいて、一丁前に責任だけは過剰に求められます。
病まないほうがすごい、レベル。
精神科医も「SEさんはね……言っちゃ悪いけど、うつ病は職業病ですからね。うちの患者さんにもその業界の人は物凄く多い。」なんて言ってたぐらいだし。
- デメリットその2:スキルアップが難しい。
この点だけに関しては、おおかみさんが常駐してたところではマシだったけども。
一般に客先常駐では、『仕様やら何やら重要なことはこちらが決めるから、あなた達は言われたことを言われた通りにだけやって下さい。』って扱いが普通らしい。
これでは、仕様設計とかスケジューリングとか指揮指導とか、この業界でやっていくにあたって必須の最も重要なスキルがいつまで経っても身に付かないよね。
- デメリットその3:帰属意識が芽生えない。
コレ、何気に重大な問題。
デメリットその1に書いた精神的に病む一因もここにある。
何せ、実際に働いてる現場は客先だからね。
客先の現場や人に対しては、多少なりとも愛着湧くし、そのために頑張らなきゃ!って意識も無くはないけど。
肝心の自社に対しては、愛着なんて微塵も湧かない。
自社の忘年会とか行っても知らない人がほとんどだし。
誰のために仕事やってるのか、って言ったら客先、な感じ。
正直、お金振り込んでさえくれたら自社なんかどうでもいい、って意識になる。
自社の体裁とか考えろよ、とか言われたって知らんがな、となる。
だって、愛社精神なんか皆無なんだもん。
4. 結果的に……
結果的にはね、客先常駐というスタイルは、
経営者にとってもデメリットがあると思うんだよね。
短期的には安定するだろうけど、長期的に見たらマイナス面のほうが大きい。
何と言っても、将来的に会社を支える中堅層が育たない、のが致命的だと思うんだ。
おおかみさんがいた会社でもね、20代 30代の
会社側からすれば “将来の我が社を担う層” な先輩方に聞いてみたらね、
この会社の中で上り詰めて将来的にはこの会社を担う存在になるんだ!
みたいな人は1人もいなかったよ。
むしろ、
・こんな会社でやっていく気は毛頭ない
・こんな会社で上り詰めたって未来はない
・真面目に転職に向けて水面下で動いてる
・愛社精神?そんなのあるわけないでしょ
って人しかいなかった。
恐らく、あと数年のうちに、
“将来の我が社を担う層” は
ごっそり辞めていくよ。
そんなので良いのかね?
5. まとめ
おおかみさんが主張したいことは、タイトル通りただひとつ。
もう客先常駐なんてやめにしないか?
無論、今は客先常駐に頼りっきりな状態になってるし、早急にやめろって言っても絶対に無理なんだろうな、ってのはわかってるが。
でも、これから徐々にでも、客先常駐型を減らしていく方向にしていこうよ、と思うのよ。
人材育たないし、むしろ人材潰すし、自社に何の知見も蓄積されないし、
客先常駐に頼るってのは、
他にいくらでも代わりのある強み皆無の会社に成り下がることに他ならないんじゃないかなぁ。
やっぱり、自社開発して、自社だけの特徴を出して、そいつで業績上げていく、ってのが
長期的に見たら会社のメリットだし、
そういう方向で伸ばしていくことこそが経営者の腕の見せ所じゃないのかな、と。
経営者経験ない俺が言っても説得力ないけど(´・ω・`)
以上。
というわけで、客先常駐についての不満を垂れ流してみました。
まぁ、ここで何を言ったところで、
対案無き反対はただのワガママだからね。
何か、この現状を改革し得る良いアイデアが思い浮かんだら、また記事書きます。
現時点では何も良い案思い浮かばない(´・ω・`)
それでは!
(´・ω・`)ノあでゅー